ロサンゼルスへの旅行や滞在を控えている方に、ぜひ知っておいてほしいことがあります。それは「LAの水道水は硬い」という事実です。
前回、ハリウッドセレブが水にこだわる話をしました。彼らが暮らすこの街の水道水は、実際どのような水なのでしょうか。旅行前に知っておくと、滞在中のコンディションが大きく変わる情報をお伝えします。
ロサンゼルスの水道水は、硬い
ロサンゼルス水道電力局(LADWP)の2023年の報告によると、LAの水道水の総硬度は地域によって56〜220mg/Lと幅があります。硬度180mg/L以上は「非常に硬い水」に分類されるため、地域によっては東京(約50mg/L)の4倍以上の硬さになります。
日本の軟水に慣れた身体にとって、これはかなりの違いです。飲み水としてはもちろん、シャワーや洗顔でも、肌や髪への影響を感じやすい水質です。
なぜロサンゼルスの水は硬いのか
LAの水が硬いのは、水源に理由があります。
ロサンゼルスは、自分たちの土地だけでは水をまかなえません。水道水の多くを、コロラド川や北カリフォルニアなど遠く離れた場所から引いています。特にコロラド川の水は、ミネラルが豊富な岩盤地帯を長い距離を流れてくるため、カルシウムやマグネシウムを多く含む硬水になります。
さらにLAの水は、季節や年によって水源の配分が変わります。雨の少ない年にはコロラド川の硬い水の割合が増え、地域や時期によって水の硬さが変動するのが特徴です。「同じLAでも、場所によって水垢の付き方が違う」と言われるのはこのためです。
硬水は「悪い水」ではない
ここで一つ、誤解を解いておきたいことがあります。硬水は決して「体に悪い水」ではありません。
むしろ硬水は、カルシウムやマグネシウムといったミネラルを豊富に含みます。美容や健康に関心の高い層に人気のフランスの水「コントレックス」は硬度約1,468mg/Lの超硬水で、そのミネラルを目的に選ぶ人も少なくありません。硬水は、飲む人や目的によって積極的に選ばれる水なのです。
一方で、軟水に慣れた人がLAの硬水に触れると、飲み口や洗い上がりに違和感を覚えることもあります。これは水の優劣ではなく、慣れと相性の問題です。大切なのは「硬水か軟水か」で優劣をつけることではなく、自分の体質やその日の目的に合わせて選べることです。
だからこそ、水を「選ぶ」
ロサンゼルスの水道水の真実は、「安全で、硬水である」ということです。飲めないわけでも、悪い水でもありません。ただ、日本の軟水とは性質が違うだけです。
だからこそ、意識して選ぶことに意味があります。今日はミネラルを摂りたいから硬水を、すっきり飲みたいから軟水を。滞在する街の水を知り、自分の目的に合わせて選ぶ。その一つひとつの選択が、慣れない土地での快適さや、自分の体調管理につながります。
“みずのみず”が伝えたいのも、この「水を選ぶ」という文化です。硬水にも軟水にもそれぞれの良さがある。無意識に飲んでいた水を、意識して選ぶ。ロサンゼルスの水は、そのことを考えるきっかけをくれる街の一つなのかもしれません。
次回はいよいよシリーズ最終回、「アメリカ旅行中の水の選び方」。ここまでの内容を踏まえ、シーンごとに水をどう選べばいいのかを具体的にお伝えします。