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半導体工場と水の価値(需要)

はじめに

近年、日本各地で半導体工場の新設・増設が活発化しています。政府による補助金政策や、経済安全保障の観点から「脱・海外依存」が進められていることも背景にありますが、それ以上に注目すべきは“立地”です。

なぜ、これらの工場は都市部ではなく、熊本や北海道など自然豊かな地域に建てられるのでしょうか?

その答えは「水」にあります。半導体と水資源は、とても深い関係性を持っているのです。

半導体製造に不可欠な「超純水」

半導体の製造工程では、大量の「超純水(Ultra Pure Water)」が必要とされます。これは、水道水やミネラルウォーターよりもはるかに不純物を取り除いた水で、イオン・有機物・バクテリアなどを極限まで排除したものです。

なぜこのような水が必要かというと、半導体の回路はナノメートル単位の精密さが求められるため、ほんのわずかな異物や汚れでもショートや欠陥を引き起こす可能性があるからです。そのため、洗浄工程では非常に純度の高い水でなければならないのです。

工場1棟で都市レベルの水消費

半導体工場における水の使用量は非常に多く、1日あたり20万トン以上の水を使用する事例も存在します。これは、水道水換算で約67万人分の1日の給水量に相当し、中規模都市の水道インフラと同等のスケールです。

このような大量の水を安定的に確保するためには、地下水や河川資源が豊富な地域に立地することが必須条件となります。その結果として、日本の熊本県、北海道、岩手県などの自然資源に恵まれた地方都市に、先端半導体工場の建設が集中しているのではないかと考えます。

テクノロジーの進化とともに高まる「水」の価値(需要)

半導体は、スマートフォン、電気自動車、家電製品、さらにはAI技術まで、私たちの生活に密接に関わっています。 その需要拡大に比例して、水資源の消費量も今後確実に増加していくと私は考えます。

今、半導体需要の増加に比例して、水の消費も急増している一方で、地球温暖化による降水パターンの変化や地域ごとの水資源の偏在といった問題も顕在化しつつあります。持続可能な技術発展を図るためには、水資源の確保・管理・再利用技術の向上が、ますます重要になっていくでしょう。

おわりに

半導体産業の発展と水資源の関係は、現代社会における重要な課題の一つです。​私たち“みずのみず”は、「日常に寄り添う‘水’の価値を再定義」することを理念とし、日本の希少で高品質な天然水を世界に届ける活動を行っています。 ​

水は単なる資源ではなく、生活や産業を支える不可欠な存在です。​その価値を正しく理解し、持続可能な形で活用していくことが求められています。​私たちは、天然水のブランド化を通じて、水資源の重要性を広めるとともに、地域社会や環境への貢献を目指しています。 ​

これからも、水の持つ本質的な価値を再認識し、次世代に豊かな水環境を継承していくための取り組みを続けてまいります。

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